BM98開発秘話3

 

'98/7/6
 BM98 version 3.00は、おおむね好評。好評っちゅーか、似すぎててやばいんちゃうかな...ARLさん、笑いとまらんかったとかゆうてはるし(笑)
 実は、最近、フロントページにも少し慣れてきた。フォントの色はユーザー設定で自由に作れるんやね。知らんかった。用意されてるやつしか使ってなかった。少し進歩したぜ!(牛歩の歩みとも言う...)

'98/7/7
 ircにハマル。危うく抜け出せなくなるところだった。っぷは〜。やっぱシャバの空気はうまいぜ(わけわからん)

'98/7/8
 BM98 ver.3.02でマウススクラッチに対応させる。ところが、その他の理由ですんげー不安定なものだったらしい。ハングアップした重傷患者多数。死者約1名。それは俺!(あかんやん!)

'98/7/9
 マック版作ってくれだの、WinNTに対応させてくれだの、LZHが解凍できません教えてくださいだの、DSOUND.DLLがありませんと出てきて立ち上がらないけどなんで?だの、わけわからんことを(いや、わかるけど)直接メールで言ってくる奴があとを絶たないから、「そういうご要望にはお応えしかねます」を「そご」で変換するようにIMEに辞書登録した。やりすぎ?


以下は、やねうらおが密かに入ったメーリングリスト。自己紹介しないのも何だから、と自己紹介をするにはしたが、あまりにもハウブロウで、シニカルかつドライでクールな文章(阿呆すぎる文章とも言う)に、誰も私だと気づかなかった。これは、まさに事件!まさに怪奇!しかも、気付いていた数名さえも、何ごともなかったかのように平常を装い続けることに全力を尽くしていたと伝え聞く。あれは忘れもしない、98年、七夕の後、雨が続いた日の出来事である。いまにして思えば、あれはやねうらおの涙だったのかも知れない。なんのことかさっぱりわからない人のために、恥を忍んで、そのときの自己紹介文を解説文付きで全文掲載する。(赤字の解説は、ここだけのもの)

件名:[bm98:00083]うねと申します。

おっす。おら、うねや! ←おらうねやは、逆から読むと、やねうらおだ。

おらの名前は、うねや! ←1回じゃわからないお子様や、お年寄りのためにしつこくアピール。
漢字では畝と書きます...。なんのこっちゃ。
←周囲の冷たい視線をよそに、ボケたら、そのまま突っ走る。

知ってる人も、知らない人もはじめまして。←作者が自ら無名の初心者を語りやってくるところに、まるで一杯のかけそばを思わせるような、現代社会への批評が包含されている。(うそ)

とゆーか、メーリングリストに参加するのに1週間ほど費やしました。
かなりのお馬鹿です。お馬鹿さ加減では右に出る者はいないと思います。
←事実を織り交ぜながら、ウィットに富んだ会話を。(どこがじゃ!)

そういえば、BM98が出てから、なんかゲーセンでビートマニアする時間が
激減しました。めっちゃ、いい迷惑してます。
←いかにも1ユーザーの作者への不満のように語る。その様に書くことで、お前誰やねん?という感情を喚起させ、メールアドレスを見る行為へと至らしめる。すると、そこには、yaneuraoの文字が...。ああ!やねうらお様や!!(なんでそんな呼び方やねん。みんな呼び捨てにしてるっちゅーねん>やねうらお) すなわち、一見、その攻撃性を自己へ向けている自虐的な書き込みなのか!と、思わせておいて...

厳密には、BM98が一般公開される少し前ぐらいからゲーセンに行かなくなりました。
このままではやばいんでないかなー、やばいんでないかなーと思ってたら、ついに
まったく行かなくなりました。
←実は、BM98の開発が忙しくて、ゲーセンに行けない自己の不満をぶちまけた単なる愚痴的ニュアンスをオブラートのように知的でイカスギャグ(ただし、そう考えているのは、やねうらお本人のみ)でラップしてあったことに読者が気付く。まさに衝撃の瞬間。

肝心のBM98のほーですが、実は、ゲーム自体は、ほとんどやってません。
このなかで、BM98のプレイ回数が少ない人ランキングをすれば、かなり上位に
食い込むはずです。
←BM98を一回立ちあげるごとに、その何倍もの時間をプログラミングに捧げるするその献身的姿勢を示唆している。

ただ。不思議なことに、BM98を私が1ゲームやるごとに、バージョンナンバーが
変わっていくようです。ここだけの秘密ですが、あれは、私のプレイカウンタのよう
です。
←その献身性について反復的表現により強調し、かつ、意味を明確に規定し収斂せしめている。

では、これからもよろしく。
(よろしくして欲しかったら、もっとまともな自己紹介しろよ!>俺)
←自己ツッコミを入れることで、読者の怒りを緩和させる文体的表現。

うねでした。(もういいって!!)←上と二段で連鎖的にボケとツッコミの流れを生み出すことでリズム感と躍動感を醸成している。


'98/7/10
コナミがBM98を問題視しているということを風の噂で聞き、HPを一時的に閉鎖。コナミに問い合わせる。しかし閉鎖した本当の理由は、それだけではないのだが...。

'98/7/14
掲示板の雰囲気が悪くなりはじめる。BM98のデータのpublicityが理解できていない人たちによる、おせっかい的アドバイスや、法的知識もろくにない人たちによる余計なお世話的アドバイスを多数頂戴する。いろいろ気を使ってくれてるんだなぁ、とは思うものの、少し有り難迷惑という気もしていた..。

'98/7/18
掲示板の雰囲気が非常に悪くなる。コナミがビートマニアに関して何の特許を申請してるかもわかってない人たちによる、わかってない会話が延々と続く。そのまま静観してたら、状況が理解できていない人から、そもそもBM98なんか作らんかったらよかったんやとか、コナミ宛のメールは中学生のへ理屈とか言われてさすがに愕然となる。

'98/7/19
BM98ver3.06完成。リザルト・スコア・ジュークボックスなどを徹夜で追加。第一回カンファレンス無事に終了する。

To Be Continued