yaneuraoGameScript2000で行こう! |
written by やねうらお
§1.yaneuraoGameScript2000のご紹介
ゲームが作ってみたい!でも、作りかたがわからない。×××ツクールでは、物足りない。自分だけの自分にしか出来ないゲームが作りたい。そのためにはどうすればいいんでしょうか?
VisualBasicやらVisual C++やらを買って勉強しなければならないのでしょうか?ソフトだけで10万円近くします。読まなければならない書籍の数も半端じゃありません。お手軽に手が出せるものとは違うようです。
でも心配要りません。やねうらおは、あなたの味方です。私が作ったyaneuraoGameScript2000(以下ygs2kと略す)を使えば、あなたの悩みもたちどころに解決!しちゃいます。
そんなこと言って、また金とろうと思ってんでないのー?とお考えのあなた!人を疑うのは良く無いです。太平洋の如く広い心を持つやねうらお(一部誇張あり)は、完全にフリーな形で、そのツールを提供します。しかも、ロイヤリティフリー、つまり、いくら使おうとタダなんです。同人で使おうが、市販ゲームで使おうが、タダなんです。私に許可など要りません。じゃんじゃん使って構わないのです。
タダなんだから、どうせたいしたものでないんでないのー?と思われるかも知れません。しかし、それは誤解です。yaneuraoGameScript2000は、実際、いろんなソフトハウスでいろんなプログラマの方が使用されています。プログラム自体をすべて公開しているため、一部だけを流用するというような利用の仕方もよくされます。最近、コナミから発売された『ビートマニア打』にも、私のプログラムが一部に使用されていますし、そのような例を挙げるとキリがありません。
『盗撮マニア』(WAFFLE 1999年9月発売)は実はygs2kを使用して作られている。
ygs2kは拡張性に富んでいるので、うまく拡張すればこのようなゲームを作ることも可能なのだ。
そうは言っても、×××ツクールとは違って、ygs2kはプログラミングツールです。マウスで選択するだけでゲームが完成!というわけにはいきません。プログラミングに対する知識はある程度、必要になります。ですが、心配はいりません。プログラミング未経験の方も、2、3日やれば、簡単なゲームは作れるようになります。それは、私が保証します。
ところで、実際のところ、ygs2k単体でどの程度のことが出来るのでしょうか?
これは、私自身の課題でもあり、テーマでもあります。
ビジュアルホラーノベル『Message』(WAFFLE
2000年3月発売)は実はygs2kのみで作られている。
ygs2k単体でも、これぐらいのものは十分、可能なのだ。
ygs2kは、特定用途向きということはありません。シューティングから音ゲーまで幅広く作れるだけの潜在能力がありますし、実行速度においてもVisualBasicより数倍高速です。しかも、タダ!好きなだけ使えばいいのです。地中海よりも慈悲深いやねうらお(一部誇張あり)は、金銭に関して、うるさいことは一切言いません。どうですか?使ってみたくなりましたか?それではLet’s Begin!(古い…)
§2.実際に使ってみる
まず本体をゲットしましょう。ygs2kの、version1.54がこれです。この原稿を書いている時点(3月10日現在)での、最新バージョンです。1ヶ月に1回ぐらいバージョンアップしています。最新版は、私(やねうらお)のホームページからダウンロードすることができます。解凍すると、下のようなファイル構成になっています。
このうち、YGS2000.exeが、ygs2k本体、manualのフォルダに入っているのがマニュアル、sourceのほうに入っているのはygs2kの元となるソース(プログラム)なのですが、最後のはygs2k自体をカスタマイズしたい人以外には、関係ありません。
要は、YGS2000.exeが本体で、これは単体で自由に配布出来るもの、manualのフォルダに入っているのがマニュアルで、わからないことや使い方は、そのマニュアルを見れば良いと、そういうことです。
それでは、マニュアルフォルダを見てみましょう。3つファイルがあるはずです。
秀のマークがついていますが、これは私が使っている環境ではtxt形式(テキスト形式)のファイルに秀丸というソフトが関連付けてあるからで、みなさんがお使いの環境では異なるかも知れません。
この3つのファイルのうち、最初に読んで!というファイルが、簡単な利用説明です。実際のプログラミングについては、スクリプトマニュアルを読みましょう。メモ帳か、ワードパッドで開いても構いませんが、メモ帳には開けるサイズに制限があるので、テキストエディタを使うことをお勧めします。私のお勧めは秀丸です。
手始めにビットマップを表示するプログラムを作ってみましょう。ここをクリックして、サンプルのビットマップをダウンロードしてください。このビットマップを、さきほどygs2k本体を解凍したところに移動します。
このビットマップを表示するためのプログラムはどこに書けばいいんでしょうか?あわてないでください。まず、この場所に、scriptと言う名前のフォルダを作ります。メニューの、ファイル→新規作成→フォルダでフォルダを作成して、作成された「新しいフォルダ」というのをマウスの右クリックして、名前の変更でscriptと変更すればよいですね。えっ?そんなこと言われなくてもわかってる?これは失礼しました。
しかし、このとき気をつけていただきたいのは、scriptと正しく入力することです。sciptとかscrptとかやってはいけないのはもちろんのことですが、うっかり全角文字でscriptと入力すると、ygs2kは、ファイルが所定の場所に見当たらないのでエラーを出してしまいます。
次に、これを表示するプログラムを入力します。メモ帳を開き、次のように入力してください。メモ帳と言っても、机のなかから紙と鉛筆を出してこないように(笑) スタート→アクセサリ→メモ帳がここで言うメモ帳です。メモ帳でなくとも、テキストエディタの類ならば、何でも構いません。末永く使うことになるので、なるべく自分の使いやすいものを選びましょう。私のお勧めは、先ほども言った秀丸エディタです。
入力しましたか? 一字一句間違えていないことを確認してください。特に、l(エル)と1や、o(オー)と0(ゼロ)は間違いやすいので、気をつけましょう。入力し終わったなら、これを名前をつけて保存します。名前は、gamestart.cにします。このファイル名も、これでないといけませんので、一文字も間違えないようにお願いします。この完成したgamestart.cと言うファイルを先ほど作ったscriptというフォルダの中に移動させます。これで、準備OKです。それでは、ygs2kを実行してみましょう。YGS2000.exeをダブルクリックすればOKです。
成功すれば、このような画面が表示されるはずだが…。
うまく行きましたか?本当は、最初からうまく行って欲しくはないのですが(笑) うまく行かなかった人のために、どうしてうまく行かなかったのか、どうすれば直るのかを説明します。もちろん、うまく行った人も、読んでください。必ず必要になりますから!
うまく行かなかった人の大半は、おそらく、以下のようなメッセージが出ていると思います。
これは、さきほど入力したgamestart.cに、文字の間違いや何らかのミスがあることを示しています。そのミスの箇所を特定することも簡単です。
CompileError.txtというファイルが新たに出来ているはずなので、それをメモ帳で開いてみましょう。
これは、scriptフォルダにあるgamestart.cの8行目(付近)に、何らかのミスがあることを示しています。8行目付近に入力ミスが無いかを確認しましょう。
そのほか、まったく動かない場合、考えられる原因は、以下のようなものです。
1.フリーズしてしまった場合
ygs2kは速度重視の設計をしているため、エラー処理が甘い部分があります。WindowsNTや2000では致命的なエラーが発生してもOSがフリーズ(暴走して動かなくなる)してしまうことはまず無いのですが、Windows95/98をお使いの場合、致命的なミスを犯した場合、フリーズする場合があります。もちろん、再起動すればなおります。よって、出来ることなら、WindowsNTか2000での開発をお勧めします。フリーズした場合、その原因を特定するのは難しいです。(今回は説明しません)
2.実行は出来るが何も表示されない場合
gamestart.cの数字等の入力を間違えてはいませんか?再度、よく確認してください。
3.DirectDrawの初期化エラーと出る場合
Windows95の場合、DirectXがインストールされていない可能性があります。これは、画像を高速表示したりするためのもので、ゲームでは必須です。microsoftのホームページからダウンロードすることも出来ますが、容量が大きいので雑誌の付録、市販のゲーム等に付いていることがあるので、そちらを利用しましょう。
§3.『夜這いマニア』を改造する
要するに、scriptというフォルダのgamestart.cというファイルにプログラムを書いていけば良いわけです。そうは言っても、プログラムなんてわからーん!という方、ごもっとも、ごもっとも。私だって、いまでこそプログラミングの神様と呼ばれていますが(一部誇張表現あり)、最初にマイコンを触ったときは、文字を打つのがやっとだったんですから!
その問題のプログラムですが、ygs2kで採用しているのは、C言語に近いスタイルのものです。C言語とは言っても、C言語の難しい部分を取り除いた限りなくシンプルなものです。ですから、何かの壁にぶつかった人はC言語の入門書を読むと良いです。逆に、C言語の入門書を読んで、こんなの難しすぎる!と感じ、挫折された方もygs2kでゲームプログラムを作っておられます。それくらい簡単なのです。(と思いたい(笑))
さて、今回のプログラムの題材は、『夜這いマニア』(WAFFLE2000年5月販売)の改造です。このゲーム、まだ発売されてないのですが(笑)、特別に改造記事を書いちゃいます。私(やねうらお)は、数多くのゲーム制作に携わっているので、せっかくだから毎回、違うソフトの改造記事(それも発売前の!)を書いて行こうと思っています。応援よろしく!
このように『夜這いマニア』のキャラクターはラブリーだが、
ゲームはライフ制のリアルタイムアクションアドベンチャーで、
クリアするのは容易ではない。(下の画面写真を参照のこと)
この『夜這いマニア』にも、ベース部分にはygs2kが使用されている。
宣伝が少し長くなりましたが(笑)、さっそくデータの改造に参りたいと思います。このゲームは基本的にライフ制・タイム制なのですが、後半、かなりゲーム的にシビアな部分もありますので、まずはセーブデータのライフを増やす改造をしたいと思います。
ゲーム本体をインストールされたフォルダにdataという名前のフォルダが存在すると思いますが、このフォルダの中にセーブデータが入ってます。そのなかのdata00.datというファイルが、一つ目のセーブデータ、data01.datというファイルが二つ目のセーブデータという感じで保存されています。
手始めに一つ目のセーブデータを改造してみましょう。data00.datを、ygs2k.exeのあるフォルダに移動します。
そして、例によって、scriptのgamestart.cをテキストエディタ(メモ帳など)で開け、さきほどのプログラムは消して、
と入力してください。// 体力いっぱいと書いてある部分は、コメントですので入力しなくて構いません。このようにygs2kは、//を使って、任意にコメントを書くことが出来ます。入力したならば、上書き保存して、さきほどと同じ手順でYGS2000.exeを実行してみましょう。どうですか?出来ましたか?
コンパイルエラーなどと出て、うまく動かなかった方は、入力ミスをされていると思いますので、前の章を振り返って、再度確認しましょう。
動くには動いたけど何も起こらなかったという方、それはそれで良いのです。(はずです) 正常に実行が終了していれば、セーブデータはうまく書き換わっていると思いますので、書き換わったdata00.datを、もとあったフォルダに移して、『夜這いマニア』を立ち上げてください。どうですか?うまく行きましたか?
§4.乞う!ご期待!
しかし、前の章のプログラム、何をどうやっているのか気になりませんか?そうですね。気になりますよね。そして、ゲームの改造や、ゲームの制作をしてみたいと思いませんか?心配要りません。ygs2kを使えば簡単です。プログラムを始めて数ヶ月の人も、ygs2kを使い、プロとして活躍されています。誰でもプロになれます。道は開けています。
次回からは、もっと突っ込んで解説していくことにします。それでは、次回までに、メモ帳でプログラムを入力し、ygs2kを実行するという手順に十分、慣れておいてください。
励ましおよび、苦情のメールは、やねうらおまでどうぞ。
yaneuraoGameScript2000関連の情報、最新版のダウンロードは、ここで出来ます。
なお、今回使用した、CGの著作権は、すべてWAFFLEに帰属します。
本原稿への使用および、WAFFLE発売のゲームの改造に関してはすべてWAFFLEの許諾を得ています。