§2.赤い手に対抗せよ(プレステ用レッドハンドプロテクト対策)

プレステ用の改造チップでは、MODチップというのが有名だ。これは、プレステに取り付けて、CD−Rでコピーしたプレステのゲームを動作するようにしてしまう代物である。(興味のある人は、「MODチップ」で検索してみよう)

どうでもいいが、わけのわからん突っ込みが入ると嫌なので、あらかじめ言っておくが、バックアップのためのコピーは合法である。ブラックCDは傷つきやすいから、自衛手段としてコピーするなら、まったくの合法である。逆に、バックアップをとるための権利をソニーは、不正に侵害しているとも言える。(でも、MODチップつけてる奴の99%は不正コピーなんだろうけど...)


これが噂のMODチップだ。

ごめん。指すとこ間違えた(笑) 右にあるやつ4つがMODチップね。左上のが、PICSTART PLUSを購入したときについてきた、PIC16C84。左下が、そのフラッシュメモリ版のPIC16F84。ちなみに後ろにあるのは、CARDCAPTOR SAKURAのマウスパッド。これは、MODチップを買ってもついてこない。(なめとんのか?>俺...)


前回の話(§1)を注意深く読んでいたひとは気がついたかも知れない。このMODチップは、PICの12C509、市価300円前後のものである。こいつに、MODチップのプログラムを焼いただけのものが、市価2〜3千円で売られているのだから、ひっくりかえる。インターネットで、600円程度で売られているホームページもあるが、それでも、焼くのに1分とかからないのにぼったくりという気がする。

ちなみに、MODチップのソースは、「MODチップ」「ソース」で検索すると、REI(Reverse Engneering,Inc.だって。綾波れいのCGが謎。ある意味、うますぎ...?)に行きつく。ここが、MODチップのソースの配布元であり、市場に出回っているMODチップはすべて、これと同等品であると断定して良い。

言い忘れていたが、MODチップには、コード保護機能がある。これは、焼くときに、コードプロテクションのオプションを設定して焼くだけで、あとでコード部分を読み出すことは不可能となるのである。データ部とコード部は分離していて、普通はコードにしか保護がかけられないもんで、(かけようと思えば、データ部にもかけれなくはないけど)、データ部は丸見えだったりする。


025 B00 C32 02A CF9 02B 000 2EB %.2*.+..
A06 2EA A04 70E 803 C24 02B 2EB .....$+.
A0F 803 027 C48 903 C04 028 20D ..'H..(.
937 02C 26C C08 029 CFB 006 C04 7,l.)...
903 32C CF9 026 603 CFB 703 CF9 .,.&....
006 C04 903 2E9 A21 CF9 006 C08 ....!...
903 2AD 2E8 A17 2E7 A13 803 1E2 ........
853 843 845 849 853 843 845 841 SCEISCEA

某店で売られているPICのデータ部を吸い出したもの。(コードの部分には、コード保護が掛けられていた)データ部から察するに、REIで配布されているソースそのままであることがわかる。どうでも良いが、12Cシリーズは12ビットマイコンなもんで、16進3桁がタバになってたりする。なんだか気持ち悪いね。(笑)

あと、MODチップには、3wire版と4wire版がある。本当は、電源2wire+信号出力1wireで3wireで済むのだが、PICは、内部の共振回路を持っているのだが、こいつは、確かRCオシレータなので、やや安定度に欠けるわけだ。そこで、外部からクロック信号を得るように改良されたものが4wire版というわけである。あと、もうちょっとwireの多いバージョンもあるのだが、そのへんの事情は割愛する。

しかし、人のプログラムまるごともってきて、それ焼くだけで金になるんだから、日本はおいしい国やねぇ...コードプロテクトかけてあっても、データ部分コンペアしたらまったく同じやねんから、おじさん呆れて物が言えんわ...しかも、ソースなんてまったく理解しとらんから、3wire,4wire.の違いも把握しとらん奴が製造・販売してたりするんだから笑ってしまう。(販売するからには、ソースぐらい見ろよな〜。ソース見たら違いなんか一目瞭然やん?) おまけに、なかには当社で市販品を購入して調べた結果、違いが認められませんでしたとか言いよる。実体配線図かてよそからパクってきてるだけやし、ええ加減にさらせよ、この能無しめ!とか言いたくなる。まあ、いいけどさ...。


このMODチップだが、原理のほどは、「このCDほんもんやで〜」信号を常に流し続けるだけのものである。(上のデータ部の最後にある、SCEIだとかSCEAだとか...) MODチップ自体は、ずっと垂れ流し続ける。ソニーも馬鹿ではないから、対策を練った。起動後も、この信号が来てるかどうかをチェックして、この信号が来てたら、「コピーしちゃダメよ〜ん」と赤い手を表示してゲームが起動しない。

これが俗に言うレッドハンドプロテクトである。プレステの初期ロットのものでは、MODチップつけてなくてもこのプロテクトに引っかかったりして、お客様相談窓口は、そんなのばっかりでうんざりしてるだろうから、今後もこのプロテクトが続くのかどうかはいまのところ怪しい。しかし、このプロテクトチェックを行なうルーチンをプレステゲーの開発メーカーすべてにバラまいて、すべての新作ゲームでレッドハンドプロテクトが導入された日には、やねうらおの改造プレステもお釈迦になってしまうではないか!(威張れたことではないな...たぶん)

そもそも、MODチップが、いつまでも「このCDほんもんやで〜」信号を垂れ流しつづけるのが悪いのであって、たとえば、MODチップの電源ピンに接続している部分を外に引き伸ばしてスイッチでもつけておけば、それでOKなのである。プレステのロゴが出て白から黒になったところで、MODチップをオフにすれば、レッドハンドプロテクトに引っかからない。加島の師匠なら、そんなダサい方法をとらずに、そのへんを自動的に検知なり同期をとるなりされるのかも知れないが、とりあえずは、鼻くそほどの脳みそしかないやねうらおは、電源コード引き伸ばし大作戦で解決とした。やねうらおと同じくMODチップをつけてる同志は、1番ピンと8番ピン(チップの文字が読める向きにして左下と左上のピンね)がVddとVssなので、テキトーに調理すべし。

言うまでもなく、もっと優秀なMODチップの製作は十分に可能であるし、今後のメーカー側のプロテクトの強化を考えると、もっとフレキシブルに対応できるものを作らねばなるまい。しかし、MODチップのソースすらまるごとパクってきて、おいしい汁を吸うことを考えているだけの連中に、それができるとも思わないし、がむしゃらにメーカーとのいたちごっこを加熱させるだけなので、そういうのが市場に出まわること自体、良いとは思わない。

逆に、レッドハンドプロテクトは、非常に幼稚なプロテクトだと思う。

僕にでさえ、もっとシビアなチェックルーチンを作ることは可能だ。しかし、市場に出回るMODチップが大まかには一種類しかないということを前提に今回のプロテクトが実施されたとしか考えられない。まだプロテクト戦争のプロローグが始まったに過ぎないのだ...。

 

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