§12.SmartMediaが熱い 99/12/26


スマートメディアとはデジカメ等で使われているNAND型のフラッシュメモリなのです。

わからない人は、電源を切っても消えないような記憶媒体だと考えてください。

従来ならばROMに焼き付けしていたものが、これを使えば、もっとお手軽になる…かも知れないと思ったのは、やねうらおだけではないでしょう。実際、ROMに焼き付ける作業には、ROMライタが必要になってきますし、大容量のROM対応のROMライタと言えば、何万とするのが相場。まして、大容量ROM自体も決して入手しやすくありません。そして、データロガー等を作っていると不揮発メモリが喉から手が出るほど欲しくなります。

そんなわけで、いまどきの電子工作には、フラッシュメモリは必須アイテムなわけです。実際のところ、Sonyの提唱するメモリースティックと、東芝の提唱するスマートメディアなど、同一目的のいくつかの製品が存在しており、その背景には自社のデジカメ等の販売戦略も兼ねているようです。

ともかく、今回は東芝の提唱するスマートメディアを取り上げてみたいと思います。

まずは、データシートを入手しましょう。東芝

http://www.semicon.toshiba.co.jp/

の製品名検索でTC58V64FTあたりを探してみます。64MbitのTC58V64DC(デジカメ等で使われているカードタイプ)≒TC58V64FT(TSOPタイプ)は同等品なので、TC58V64FTのデータシートを参照します。

最近流行りの携帯MP3プレイヤですが、MP3のデコードチップ、それからスマートメディアと、その制御用のチップといくつかの部品を取り付ければ完成。意外にシンプルです。自作された方がおられるので、紹介します。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~elm/reports/mpc/report.html

これを見て、MP3プレイヤを自作しようと思ったときネックとなるのが、スマートメディアのソケットが入手できないということでしょう。東京では売られているようなのですが、大阪の日本橋では売られていないようです。(99/12/26日現時点。見つけた人は、ご一報ください)

もっとも、スマートメディアは安いので、その電子工作専用と考えてハンダ直付けしても良いかも知れません。それを勧めるのには、もうひとつ理由があります。

スマートメディアの論理フォーマット自体が一般に向けて公開されていないのです。つまり、利用しようと思っても、その管理は自前で行なう必要があり、そうなってくると独自の論理フォーマットに基づいて使うしかなくなってくるわけです。ところが、現在のデジカメは、ファイルの削除はできても自前で強制フォーマット出来ないものがほとんどなので、一度、独自の論理フォーマットで書き込みをしたスマートメディアは、二度と使えなかったりします。(機会があれば、スマートメディアの論理フォーマットを解析して公開しようと思っています) このような状況なので結局、その工作専用とならざるを得ません。

さて、スマートメディアの特徴について考えていきます。

まず、シリアルメモリに比べて十分高速ということが挙げられると思います。入手がしやすいというのも利点ですね。

そして制御ですが、実際に使うときは、I/Oポートが8つと、制御信号が5つ必要になるだけでPICからでも十分制御できます。アドレスバスは?と思われた方もおられるでしょうが、I/Oポートを介してアドレスを叩き込めば、あとは読み出しごとに自動的にアドレスはインクリメントされるわけです。(興味のある方はデータシートをご覧あれ)

あと…私には不満というか、疑問がいくつかあるのですが、まずスマートメディアは528バイト×16ページ×nブロックという内部構成をとっています。528というのは、512の間違いではありません。代替用の16バイトを含め528のようです。通常のリードモード(シリアルリードシーケンス)の内部アドレスレジスタの自動インクリメントでは、この代替用の16バイトに到達できません。ここにアクセスするために、その代替用メモリ専用のリードコマンドがあり、そのコマンドのあと、この代替用メモリ専用のリードシーケンスに入ります。というか、それで実際、使えるのか?というと甚だ疑問です。おそらく、これはFATで管理するときの代替トラック(?)処理か何かに使われているのかも知れません。

もうひとつの疑問は、いくつかのブロックが不良(bad block)であることを前提として設計しなくてはならないという点です。たとえばデータシートでTC58V32AFTを見ると有効ブロック数は最小で502,最大で512,Typicallyには508ブロックであるとあります。これが真実だとしたら、少なくとも不良ブロックは事前にマーキングしておく必要があるでしょう。

それに、スマートメディアの制御コマンドを見る限り、ランダムアクセスは非常に弱く、ページ単位でシリアルに読み込まれることを前提として設計されていると言えそうです。つまりは、ファイル保存用というわけです。ファイル保存用なのに、その論理フォーマットが公開されていない…ということは、つまり、なめられとんのか。(笑) いやいや。東芝としては、電子工作のホビイストには、スマートメディアを使って欲しくはないのかも知れません。

PIC単体では常に直面するメモリ不足。果たしてスマートメディアは、その救世主たりえるのでしょうか。(そんな寝言言ってないで、早く論理フォーマット解析しろよ>俺)


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