2003.12.10

最近、再販ブームなのでコンビニに行くと、横山光輝の「バビル2世」の漫画本が置いてある。

私がバビル2世をテレビアニメで見たのは、小学生のころだったので、話の筋をよく覚えていなかったのだが、いま見ていたら、子供のころの記憶とは全く違う作品だった。

この漫画の核心は、遙か宇宙の彼方から地球にやってきた異星人、バビル1世の残した遺産の相続問題なのである。

アバウトに言えば正義の心と超能力を持った、神谷浩一少年と、同じく強大な超能力者である帝王ヨミとの壮絶な戦いを描いてあるのだが、内実はそうでもない。

いま漫画本を見てみると、このヨミという男、それほど悪い奴にも思えない。ヨミと神谷少年とのファーストコンタクトは、「我々は選ばれた存在なのだ。選ばれた存在だから、我々が世界を統治したほうがいい。神谷君、私と手を組まないか」(正確な台詞はうろ覚え)というようなオファーを神谷少年にするところから始まる。

このころ、神谷少年はまだ超能力にも目覚めておらず、超能力者としては半人前、かたや、ヨミはすでに超能力者として覚醒し、組織を形成していたのだ。それなのに、ヨミは同じ超能力者という仲間意識から年下、能力的にも自分より遙かに劣る神谷少年に温かく声をかけているわけである。なかなか大人でも出来ることではない。ヨミは人間的にも人格的にもかなり出来た男なのだ。

対して神谷少年、それを断って、おまけにヨミの神殿を完膚なきまでに破壊して帰っていく始末。こんなことされたら、まともな大人でも黙っちゃいませんよ!

このあと、ヨミは、各国の政府に諜報員を送り込んだり、超能力の発展のために研究機関を創設したり、自分の能力の誕生の謎を調べたり、自分の役割を自覚し、かなり熱心に努力しているわけである。きっとヨミが世界統一していれば、いまごろイラクもあんなことにはなっていなかっただろう。この人になら任せておいても大丈夫である。

それに対し、神谷少年ときたら、自分は何をするでもなく、バビルの塔と3つのしもべに頼りっきり。研究とか絶対に自分ではせず、ぐうたらで、誰も仲間に引き入れるわけでもなく、ただただ、バビル1世の残した資産を食いつぶすだけの存在。やることと言ったら、ヨミの理念も理解せず、ただただヨミの施設の破壊。破壊による構築ではなく、破壊のための破壊。神谷少年は、結局、何も生産していない。

ファンサイトを見ても、ヨミを支援する声は多い。例えば、ここ

部下の命を救う為にバビル2世への攻撃をためらったり
、バビル2世を倒した(と思われた)ロボットに「バランよ、よくやった。おまえが人間ならたくさんの褒美をやった事だろう」とか思わず言ってしまったり(ロボットに思いっきり感情移入してますヨミ様)、催眠状態にかかった部下を平手打ちで起こしてみたり、しかもここまでやっておきながら、あくまでも小物ではなく威風堂々、威厳たっぷり、悪の帝王然として、部下にも慕われまくり


あるいはこことか:

ヨミ様の方がいい奴じゃん(笑)。雑魚が遭難しても必ず救援隊を差し向け、秘密基地からの通信が途絶えれば直ぐに視察、やばくなったら部下を先に逃がす。秘密組織の構成員ばかりか近所の住民からも尊敬されてる快男児。それに比べてバビル2世と来たら…宇宙人の遺産に目が眩み、親を捨て友を捨て話相手は怪しいコンピューターだけ。涼しい顔してヨミの部下は見つけると皆殺しにするし、人質は迷わず見捨てるし。言動は神掛かってて不気味なガキ。どっちが地球を支配するのにふさわしい人物か、は明らかですね。がんばれヨミ様。バビル2世の魔の手から世界を守るんだ!


そりゃもう、ここまで来たらヨミを応援するしかないだろう。どちらが立派な人格者かは、言うまでもない。しかし、はかなくも最後の対決で、ヨミは神谷少年に敗れる。そして、神谷少年は遺産(この実体が何であるかはよくわからない)を引き継ぎ、3人のしもべは帰っていく。

(以下、バビル2世公式サイトより引用。再販本のほうは最終巻がまだコンビニに並んでいないので、漫画の方の結末は知りません。)

声「バビル様」
振り向くと――ロデム。
浩一「ロデム!」
ロデム「とうとうお別れの時が来たようです」
浩一「今までありがとうロデム。そして――(見上げて)ポセイドン、ロプロス!」
鳴き声を上げるロプロス。

浩一「ぼくは忘れない。決してお前たちのことを」

とか言って神谷少年は自己完結してやがる。ここまでくれば神谷少年に殺意すら覚えかねない。本当にバビル1世の遺産を引き継いだなら、まずはとりあえずそれで、イラクと、北朝鮮をなんとかしてくれと。

そういう意味では、なんか切ないエンディングだった。不良の息子を持った親の気持ちが痛いほどわかった。不良息子が同級生の女の子を孕ませたと聞いたらきっとこんな気持ちになるんだろう。あるいは、ある日、目が覚めたら、自分がすごい美女になってて、お化粧して出かけたら悪い男たちに公園の草むらで陵辱されたような気分になった。そんなことを考えていたら、ちょっと興奮した。バビル2世を見て興奮してる私はひょっとすると変態じゃないかしらん..。


2003.12.02

最近、若者の言葉の乱れときたら、はなはだ耐え難いものがある。

まず、文章の末尾に、 (ぁ とか、つけやがる奴、あれは何だ!

    「忘れてました(ぁ

(ぁ て、一体なんなんだよ!意味不明なんだよ!わけわかんねーよ!ヽ(`Д´)ノ

そうかと思ったら、まさかこいつだけはそんな妙ちくりんな言葉だけは使わないと思っていた後輩(文学部卒)まで、

    「ああ、電源をはずすんですね。(ナル

とか言いやがる。(ナルは、ナルホドの略のようだ。だいたいなー、括弧入力して「なる」って入力してカタカナ変換するぐらいなら、最初から「なるほど」と書け!手間ひまかけて、わかりにくくしてどないするねん。

あとそれから、許せないのが、

    「やってしまいました(ぉ

とか言うやつな。(ぉ は ぉぃぉぃ か何かツッコミの略のようなんだが、(ぉ では何のこっちゃわからん!

しかし一番腹が立つのは、これだ。

    「それください。(何

(何 って意味はわからないけど、経験上、必ず失礼な発言の最後に書いてある。「何だって〜!!」の略なのかも知れないが、この文字、すごく腹が立つ。というか、腹が立つことが書いてあって最後に毎回「(何」って書いてあるわけだ。

こないだ、ゲーセンで会った知り合いとメッセンジャーで話していて、会話最初から最後の行まで末尾に「(何」って書いてあって内容が全文、「ください」とか「やって」とか「お願いします」とかばっかりだったので、あまりに腹が立ったので、そいつのことは禁止にしておいた。心当たりのある奴は、吊ってきやがれ。

とりあえずだな、お前ら。一文字だけで何かを伝えようとするな。少なくとも、単語でしゃべれ単語で。「バナナ」とか「りんご」でもいい。一文字は勘弁してくれ。一文字は。せめて、繋げてしゃべってくれ。(ぁ(ナル(ぉ(何とか、あナルぉ何とかとかな!!そしたら少しは仲良くなれる気がするぞ。あナルぉ何をカタカナで書くと教育上良くないのか、このページが学校関係から見られなくなってまた苦情が来ると嫌だからこのへんでやめとくけどな..。